これまでの活動実績
当会は、平成12年8月4日、東京都の認証を受けて、発足した特定非営利活動法人(NPO)であります。(認証番号12生コ文振特第365号)
◆「小公園の環境改善と活性化」からスタート
「高齢化社会が進行する中で、まだ十分活躍ができる活力ある高齢者がたくさんいる。その持てる力を発揮し、世の中に役立つ仕組みを創出しようではないか!」という設立趣旨のもと、具体的な施策として、都内に数多く存在する小公園にスポットをあて、「小公園の環境改善および活性化」を目指して取り組み、地域住民に愛され親しまれる講演を実現し、さらに高齢者のケアーにより子ども達が安心して楽しく遊べ、またお年寄りの憩いの場・コミュニケーションの場として、潤いのある公園にするための事業をまず計画しました。(竹箒の会という命名もここに由来しています)
当会の事務所所在地である文京区からはじめることとしましたが、区の公園管理のシステムとの整合が難しく、なかなか実現への道筋が見えてこない状態が続きました。
◆「シニアのためのパソコン教室」を開催
一方IT時代を迎えて、高齢者のITに対する関心が高まりつつある中で小公園等の環境整備とは別に、「シニアのためのパソコン教室」を開催することにしました。パソコン教室の実施には、「受講生・インストラクター・教室」の3要素の充足が必要ですが、そのなかでも最重要案件であるインストラクターについて、電電千代田会から選りすぐりのメンバーの紹介を受け、竹箒の会のオリジナルメンバーが誕生しました。会場も、NTT代々木研修所・NTTラーニングの所管する麻布研修所の教室を借用しスタートの体制を整えることができました。受講生の募集は、マスコミの後押しもあり、第一回目のパソコン教室(2001年2月~4月)は、応募者400名という多くの参加者があり、いまさらながら関心の大きさを痛感しました。
関係方面の大変なご支援をいただきつつ実施した本施策が、時を同じくして始動した政府施策IT講習会への参加を可能としました。そこでの実績をもとに、現在も竹箒の会の自主開催パソコン教室や、IT講習会以外の区施策パソコン講習会(文京区・目黒区・千代田区・台東区・荒川区)を受託し、地域別のパソコン教室の展開を継続的に確保しております。
◆個別相談に応じる「パソコンサロン」
カリキュラムを伴った教室と並行して、個別の相談に応じる形の「ITサロン」を、2002年度から2004年度まで文京区より受託して開催しておりましたが、各方面の理解をいただき、2007年2月よりNTT上野ビルにおいて、独自に「パソコンサロン」を開催し、通常の教室形式ではない、個々の質問にも応える新しい需要に応え、大変好評のうちに展開しており、2009年9月より、同じ形式のパソコン教室を杉並区ゆうゆう高円寺南館、2011年よりゆうゆう高井戸西館でも開催しております。NTT西新宿ショールームにおいても2009年6月にパソコンサロンを開催し、今後の展開を志向しつつ、パソコンの領域をすこしづつ拡大しております。
2010年度から、この発展型として、文京区の3か所の地域センターにおいて、パソコン立ち寄りスペースの事業の委託を受けました。最新のPCを5台設置している区施設の一角で、どなたでも自由においでいただき、PC使っていただきながら、PCに関する操作方法、などのご相談に応じるというものです。
パソコンを教えてほしいというご要望は、減るどころか、毎年増える一方という実感を持っています。わたくしたちの経験を活かし、「竹箒の会の教え方はとても親切でわかりやすい」という皆様からの評価にこたえるべく、さらにレベルアップを志したいと思います。
◆町会などのホームページ作成支援
パソコンに関連した事業として、2005年7月より、文京区において、町会等各種団体のHP作成支援を受託いたしました。HPビルダーでの作成もさることながら、手軽なHPとして関心の高いブログでの作成も視野に入れ、また、パソコン講習会・パソコン相談処などのパソコン全般に関わる支援を行っております。
その関連で、2010年4月より、文京区の地域活動センター(駒込・大塚)において、高齢者パソコン支援事業「パソコン立ち寄りスペース」にも参画しています。これは上記にも記したとおりパソコン5台を自由に使っていただくスペースでインストラクターが常駐、質問にお答えする事業です。
◆高齢者のための「らくらくモバイル教室」「スマートホン体験会」「タブレット体験会」
パソコンと並んで、これからの社会で、特に高齢者にとっては、家族や友人との連絡等に必携と考えられる携帯電話の便利な使い方を教える「らくらくモバイル教室」を2002年7月、文京区高齢福祉課、文京区高齢者クラブ連合会のご協力を得て、360名のシニアの皆様に向け実施し、ここでもモバイルへの関心の高さを実感しました。このモバイル教室の展開は、高齢者のモバイルへの必要性の認識が深まるにつれ、ミニパソコンとして今後も需要が拡大するものと考えます。竹箒の会として、公正な立場での事業展開を明確にしていくため、ドコモ、auの両方の教室を展開しております。すでに、東京都下、埼玉、横浜等、首都圏において、150箇所以上で開催、参加者は累計30000名を超えるに至りました。(2012年4月現在) 今後も、当会の主軸事業として、関東近県においてさらなる展開を予定しています。
また、時代の先端、スマートホンにも2011年秋より体験会を随時開催。これからのスマホ時代を見据え、私どもも勉強しつつ、高齢者の皆様にお教えしております。想像以上に、熱心、かつスムーズに操作をしていただいており、今後の手ごたえを感じております。さらに2012年12月よりタブレット体験会も開始、確かな手ごたえを感じつつ、真の高齢者の需要にどうお応えしていくのか、ICT進化の激流の中を歩んでいきたいと思います。
◆モバイル(携帯電話)教室の発展型
今後のモバイル教室の発展型として、介護予防の観点からの携帯電話を有効利用してのプロジェクト推進、さらに身体障害(視覚・聴覚・肢体)・知能障害も含めた障害者に向けてのモバイル教室の展開、また、参加者自身の所有されている携帯電話を使用しての講習会・相談処の開設、さらに個人教授など、高齢者等が携帯電話をさらに上手に使っていただけるよう、さまざまな施策を展開しております。
これらの施策を通じて、高齢者や障害者が真に求めている携帯電話の操作性やソフトなどをメーカー、携帯電話会社にバックし、商品開発に資することも引き続き取り組んで参ります。同時に、子どもの安全を守るための「親子携帯電話教室」「母親携帯電話教室」の展開も開始しております。
最近では特に高齢者の方々も、GPS機能、緊急地震速報などの導入で、安全・安心のための携帯電話という観点を明確にお持ちになるようになりました。高齢者こそ、携帯電話を上手に使って、合理的、便利で安全な生活の必需品として使いこなしていただけるよう、この事業をさらに推進していく所存です。竹箒の会は、高齢者向け携帯電話教室の展開において他の追随を許さない圧倒的な実績とノウハウを持っており、これを社会に還元していく任務を背負っていると自負しております。
上記のパソコン、モバイルのインストラクターには、NTT-OBをはじめとし、杉並区、北区、台東区を中心とし、地域の活力ある高齢者を登用して十分な研修を経て、活動の場を創出しております。「高齢者が高齢者に教える」というよい循環を構築し、各行政からも高い評価をいただいております。
◆杉並区における敬老会館活性化事業
今後を展望する新しい活動として、2004年10月より、杉並区における敬老会館活性化事業に参画しています。これは、これから団塊の世代が地域に戻ってくる時代を見越し、まだまだ活力ある高齢者が、地域でもっともてる能力を発揮し、活動する場を創出しようという画期的なプロジェクトです。中核となる「夕焼けサロン」を敬老会館で定期的に開催することにより、地域の問題を考え行動できる場や、また一人一人のいきがいや新しい活動の場を創出することを目指しています。
その活動の成果として、2006年4月より「ゆうゆう高井戸西館」、2009年3月より「ゆうゆう高円寺南館」での、受付清掃業務を受託し、本格的に地域密着の活動を開始しております。
この2館では受付・清掃事業のみならず、まだまだ活力ある高齢者のための様々な講座の企画を推進、「Jazz談義」「漢文朗誦」「テネシーワルツを歌う会」「オリジナルハワイアンキルト」「俳句」「エッセイ入門」「スケッチ入門」「英文ライティング」「学び直す英語」「おしゃれな歌サロン」などの講座を展開しております。
◆高齢者の就業・起業支援
同時に、高齢者のための就業・起業支援の講座を杉並区より受託し、具体的に高齢者の雇用創出に向けての活動も開始しており、ゆうゆう高円寺南館では専用ルームを設置、本格的に高齢者の社会参加・就業起業支援、職業紹介を行っています。そのため、竹箒の会では、職業紹介事業を労働局の認可のもと、2009年11月より開始いたしました。
◆地域での異世代交流事業
さらに、教育を重要テーマと考え、地域の子供たち、保護者、教師、地域の団塊の世代住民等の世代間交流を創出し、地域で子供を守る施策を高井戸西児童館と連携しつつ、2007年4月より開始し、ゆうゆう高円寺南館でも2009年4月より近隣保育園等との異世代交流事業を開始いたします。
具体的には、「親子孫子携帯電話教室」、敬老の日に子供たちが、抹茶をたてて高齢者に振る舞い、交流を図る「お茶を楽しみましょう」ほか高齢者の知恵を伝承する「礼法を学ぶ」「百人一首を楽しもう」「漢文を読もう」「竹トンボを作ろう」「昔遊び交流会」などの行事を「21世紀の寺子屋事業」として開催、異世代間交流を進めております。
◆文京区「認知症(痴呆予防)プログラム」のファシリテーターに
2004年度から文京区においても「認知症(痴呆予防)プログラム」にファシリテーターとして参加、高齢者がもっといきいきと活動できるよう、さまざまな試みに現在進行形で参加しております。台東区、杉並区においても介護予防事業に参加、特に杉並区においては、2008年5月より携帯電話を使った認知症予防プログラムを開催、現在も継続中です。
このほか、現在までの「元気な高齢者がもっと元気になるように」というコンセプトによる事業開催の実績を評価していただき、「認知症にならないために」「認知症予防」等の講演依頼にも積極的に対応しております。
◆防犯リーダー養成講座の開催
文京区より地域の防犯リーダー養成講座の開催をお引き受けし、2007年度実施いたしました。特に地域全体で子供を守ろうとの観点から、ITの活用、地域の団塊の世代の力の結集などを中心に、学校関係者とも連携をとりつつ、地域・学校・家庭が協力し合って、理想的な子供の教育環境を創出すべく、今後も「防犯」の観点からの活動を進めてまいります。
◆「高齢者が創る21世紀の寺子屋」事業
長寿社会開発センターよりの助成に基づき、「高齢者が創る21世紀の寺子屋」事業を平成19年度、実施しました。
当会が基軸事業と位置付けている日本の歴史・文化を正しく伝承し、教育に関わるすべての関係者(地域・教員・母親・子ども)の連携の輪を作る活動を推進し、大変好評を博しました。2008年以降も杉並区のゆうゆう高井戸西館、ゆうゆう高円寺南館でも引き続き現代の教育問題について、さらなる活動を継続しております。
杉並区では長寿応援ファンドが設立され、その第1期の事業として2011年度、竹箒の会の「高齢者が作る21世紀の寺子屋」事業が認定され支援を受けました。これまでの経験を生かし、堀之内小学校との連携で、有意義が活動を行うことができました。
この成果を活かしつつ、今後も引き続きこの活動を進めてまいります。
◆カウンセリング事業
竹箒の会の定款にはカウンセリング事業があります。ただこの面での目立った活動はずっと行ってきませんでした。
しかしながら、平成21年度、ジョイフル杉並の事業でカウンセリングを担当して以来、毎年「カウンセラーを目指して」という講座を杉並区就業応援事業として行ってきました。
ご存じのとおり、カウンセラーとしての活動は資格を取得したからといって、すぐにできるものではありません。長い現場での経験を積み重ねていくことによって、少しづつ領域が広がっていくものです。ですので、竹箒の会では、講座の修了生の方々を対象に、さらなる勉強会の開催を初めとし、「なんでもお話し会」「お話聴きます会」などの活動を開始、今後ますます活動の幅を広げていきたいと考えております。ゆうゆう傾聴の会という自主グループもでき、訪問傾聴ボランティアも始めています。
単身高齢者が増え、話し相手がいない、また子育て中の母親で育児の相談相手がいないなど、多くの方が誰かと話したいという願望を持っている現代社会。その中で、私どもにできることは何か、考えつつ行動していきたいと思います。